ベイジュのお仕事, 最近のベイジュ

PageとWall ~展覧会のお仕事~

こんにちは! 実は今まで一度もこのブログを書いたことのない、隠れベイジュ広報担当(自称)のAです。さすがにそろそろ書かねばと思いまして「最近のベイジュ」というテーマでブログを書いてまいります。

 

本の編集が本業(本だけに!)のベイジュ、なのですが、本業からすこし離れたお仕事にも、つい首をつっこみたくなってしまう性分。マンガ関連の展覧会図録やパンフレットを制作させていただく流れで、展覧会自体のお仕事をお手伝いさせていただくこともちらほら…。

そして案件によっては、図録やパンフレットなどの「本」は作らず、展覧会だけに関わらせていただくケースも。

展示する絵の初出情報を調べたり、原画の整理をお手伝いさせていただいたり、はたまた展示構成やコンセプトづくりに参加させて頂いたり…。

隠れ広報担当のAは学生時代、空間デザインのお仕事っていいな…と憬れを抱いていたこともあり、展覧会のお仕事というだけで、テンションが少し上がってきます。

(といっても空間デザインは弊社の業務範囲外なのですが、各分野のプロフェッショナルの方々に混じらせていただいての仕事は勉強になります。)

最近、展示企画に参加させていただいた「咲坂伊緒展 アオハルノキオク」(松屋銀座にて2024年3月開催) ©咲坂伊緒/集英社

 

本と展覧会は似ている…?

ところで、本づくりと展覧会づくりって、共通する部分が多いなとつくづく思うのです。

たとえばとある漫画家さんの30周年記念というプロジェクトがあって、記念のムック本をつくりましょうという場合には、全何頁の本なのか、入れ込むべき内容と章立てをどうするか、1頁に入れられる図版や文字の量はどんなものか、書くべきことはなにか、載せるべき絵はどれか、などを各種検討しながら構成をしてくことになるわけです。

一方30周年記念の「展覧会」をやりましょうとなった場合は、会場の広さ(=本の場合の総ページ数)、入口から出口までの導線と部屋割り(=本の場合の章立て)、立体展示や映像展示をする場合その内容やしかけ(=本の場合の袋とじや綴じ込み小冊子・特殊印刷等のしかけ)、1つの壁に飾れる絵やパネル類の点数や内容の検討(=1ページに盛り込む要素)、といった感じで、落とし込む先がPage(本の1ページ)なのかWall(展示壁面)なのかという違いこそあれ、コンセプトや全体構成を検討するときのプロセスは、どちらも共通項があるなと…。

 

引いたり足したり

飾りたい絵はたくさんあるがどうしても入りきらない…そのとき何を削るのか。収集し取捨選択し再構成するところは、本づくりも展覧会作りも相通ずるところがあるなと思います。潔く削るぞ!という冷酷な感情と、でもやっぱりあれも入れたいし、お客さんはこれも見たいはずだし…という、何度振られても諦めきれない恋心のような気持ち。その2つをいったりきたりしながら検討を重ねて、結果良いバランスとなったかどうか…は蓋を開けてみないとわからないわけなのですが。

本と展覧会で決定的に違う点をあげるならば、本は家や電車やカフェなどでそれぞれが一人の状態で読むものなので直接的な反応がわからないんですが、展覧会は来場されているお客さんがどの展示にどういう反応をしているのか、どんな位置からどんなスピードで見ているのか、漏れ聞こえる感想の声など…ダイレクトな反応が伝わってくるところだなと思います。展覧会は、身体全体で感じる”本”的なもの…とも言えるかもしれません。

絵を展示するときに欠かせない「初出」キャプションパネル。絵によっては初出時期がはっきりせず、資料室や図書館で古い雑誌にあたり、掲載号を探し出す必要があることも。(ちなみにこのキャプションパネル、文字組と素材がとても個人的に好み)

さて、最近のベイジュ~展覧会編~はここまで。
また次のテーマでお会いしましょう!

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